小麦アレルギー(ランク5)の娘をもつりんごです。
いよいよ、娘の経口免疫療法が始まりました。
食物アレルギーの経口免疫療法とは
今までは、食物アレルギーの治療というと、食べずに(除去)成長とともに食べられるようになるまで待つという方法が一般的でした。
ですが、最近では食べてアレルギーに対する免疫をつけていくという方法も研究されています。
経口免疫療法は、アレルギーの原因となる食物をごく少量から毎日、もしくは週3日以上食べて、少しずつ少しずつアレルギー物質を取り入れて少しずつ耐性をつけていき、段階的に食べられる量を増やしていこうという治療法です。
ただし、成長とともにアレルギーの耐性が期待できない場合にのみ、この経口免疫療法をするべきであり、一般にはいまも耐性獲得まで除去という方法が推奨されています。
自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対して、事前の食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した後に原因食物を医師の指導のもとで経口摂取させ、閾値上昇または脱感作状態とした上で、究極的には耐性獲得を目指す治療法
経口免疫療法の方法は?
経口免疫療法を始める前に、まず最初に負荷試験を行い、どれぐらいの量の小麦(ここではうどん)を食べると症状がでるのかを確認します。(閾値を確認)
そこから、閾値よりもかなり少ない量(医師により決定)を少量ずつ自宅で摂取していきます。
たとえば、娘のうどんの場合。
初めの二週間は毎日2gずつ食べる
↓
何も身体に異常がないようなら、次の二週間は毎日3gずつ食べる
↓
また異常がなければ、次の二週間は毎日4gずつ食べる
このように、少しずつ少しずつ食べられる量を増やしていくという経口免疫療法をしています。
これは、ゆっくり食べる量を増やしていく「緩徐法」という方法です。
これ以外にも、いっきに食べる増やす「急速法」という方法がありますが、娘は自宅で少しずつ量を増やしていく方法を選択しました。
経口免疫療法の危険性
この経口免疫療法は、アレルギーが自然に治癒する可能性が低い方にとっては、とても魅力的な治療法ですが、一方で非常に危険な治療法でもあります。
アレルギーのある食べ物を、あえて食べているのです。
重篤な症状が出る場合もあります。
少し前にも話題になりましたが、牛乳の経口免疫療法をしていた子が重篤なアレルギー症状を発症し、一時呼吸停止に陥ったという事例がありました。
一歩間違うと非常に危険な治療法なため、家庭でやるべきではない!とする意見も多いです。
また、お子さんにも、アレルギーのあるものを食べる恐怖やストレス出てきますし、親も始めるからには覚悟が必要な治療法です。
家庭で行うことなので、慎重さがとても大事になります。
もちろん、これは自己判断で勝手に行うものではなく、専門の医師の指示のもと食べる量や期間を決めて行う治療法です。
その危険性を熟知したうえで、もしものために医療機関が開いている時間帯を選び、食べた後きちんと親が経過を観察することが絶対的に必要になります。
娘の経口免疫療法(小麦)の進め方
娘は、前回の負荷試験の結果、うどん2gからスタートすることになりました。
使用するうどんは、ゆでうどんで、乾麺はNGとの指示がありました。
さらに、できるだけ前回と同じうどんを使用するようにとのこと。
なぜ、乾麵がNGで、前回と同じうどんでなければいけないのか?
●ゆでうどんの小麦たんぱく量は一般的にうどん100gに対し、2.6g
●乾麺は家にあるものを調べてみると100gに対し、9.9g。
(詳しい数値は、乾麺の種類により異なります)
同じうどんでも、小麦タンパクの含有量が違うと、麺の重さを同じにしても、食べている小麦タンパクの量がかわってしまいます。
実際に計算してみると・・・
●うどん100gでたんぱく2.6gの場合(200gあたり5.6gと表記)
2g×0.026==0.052g
●乾麵100gでたんぱく9.9gの場合
2g×0.099=0.198g
計算してみるとその違いは歴然です。
同じうどんでも含まれるたんぱく質の量は異なってくるため、負荷試験で使用したものと同じものを使用する必要があるのです。
娘の減感作療法では、ゆでうどん2gを週3日以上食べてみて、2週間食べて何も異常がないようであれば、1gずつ増やしていくことになりました。
何も問題なく、進めることができれば、
初めの一か月で3g
次の一か月で5g
次の一か月で7g
と増やしていくことができます。
最後に
今回の経口免疫療法の目的は、『小麦が食べられるように』というものではありません。
もしも誤食をしてしまった時に、重篤な症状が出ないためにこの治療法を始めます。
親の目が離れる娘の小学校入学までに、少しでも食べられる量が増えて、小麦の誤食による心配が少しでもなくなるようにしたいというのが、今の目標です。