アトピーっこの天敵のひとつである汗。
子供のうちは、とくに汗をかきやすい関節部のアトピーがひどくなりがちです。
汗をかくと痒くなるのはホント!?
子供だけではなく、大人のアトピーもとにかく汗が天敵です。
理由は単純。
汗をかくと痒くなるからです!
汗をかくとどうして肌が痒くなるのでしょうか。

痒みの原因には、汗が刺激となる説、汗にとともに皮膚に入り込むたんぱく質によるアレルギー反応という説などがあるみたい。
正常な皮膚の場合は、汗ぐらいの刺激で痒みが出ることはないのですが、アトピーっこの肌には、普段からの掻いた傷や、治りかけの傷、目には見えない炎症などがあります。
その炎症部位に汗をかくことによって、それが刺激となり痒みを引き起こすことがあるそうです。
また、汗による痒みには別の原因があることもわかってきているそうです。
汗による痒みの原因は、人の肌に存在するカビが作りだしたタンパク質。これが汗に溶け、汗とともに皮膚から体内に入り込むことによって起こるアレルギー反応ということ。
カビ!?と聞くと驚いてしまいますが、このカビとはアトピーではない人の肌にも存在する常在菌の一種だそう。
このような理由から、やはり汗によって痒みは引き起こされるのは本当だと言えます。
汗をかかない方がいい?
では、汗をかくと痒くなるのなら、汗をかかないように生活したら良いのでしょうか。
大人になると、汗=痒くなるの図式が出来上がっていて、私は極力汗をかかないように生きてます。
ですが、子供達はそういうわけにはいきません。
小学校で全く運動しないわけにはいかないですし、行き帰りも太陽の下、長い距離を歩いて帰ってきます。
どんなに頑張っても、汗をかかないように生活などできないのです。
汗腺の数は3歳までに決まる!?
息子の場合、乳児湿疹がひどかった時にお医者さんからエアコンを通常の28度より低めの26度に設定し、汗をかかせないようにしてくださいと言われていました。
夏場も気温が高い時にはあまり外に出さず、エアコンを26度設定で過ごしてきました。
そのせいなのか、生まれつきなのかわかりませんが、息子は極端に汗が出ません。

皮膚や体内の温度を下げる役割をする汗がほとんど出ないと、身体に熱がこもってしまい、熱中症のリスクもアップ。
少し暑くなったり、身体を動かすだけで、顔は真っ赤になり、身体は熱を持つようになりました。
身体に熱がこもることで余計に痒みも増すため、暑さも汗をかく事も嫌がります。
一方、生まれた時から28度設定で過ごし、夏も外遊びをしていた娘は、汗っかきです。
どちらもアトピーですが、汗のかきかたが全然違います。
よく3歳ころまでに汗をほとんどかかない生活をしていると体温調節がうまくできなかったり、汗をかきにくくなってしまうと言われていますが、もしかしたら赤ちゃんの時の生活環境が影響しているのかな・・・と反省しています。
汗腺の数が少ないのなら、汗腺を鍛える
息子は今、汗腺を鍛えるために春になると汗をわざとかかせるようにしています。
汗をかきにくいからこそ、夏の暑さ本番前に汗腺のトレーニングは必須です。
毎年、春から夏にかけて、少しずつ運動で汗をかかせていきます。
幼稚園の頃、夏になると汗をかけずに顔が真っ赤になり、熱がこもってしまうことがよくありましたが、春先から少しずつ汗を意識的に出すようにすることで、今では夏にはだいぶ汗がかけるようになってきました。
アトピーだと汗をかきにくい体質の方が多いとも言われていますが、汗腺を鍛えて汗をかきやすくするとベタベタ汗からサラサラ汗をかけるようになり、熱がこもりにくく、昔より痒みも抑えられているので、息子に汗腺トレーニングはかかせません。
自律神経の異常で発汗に支障をきたしているという研究もされているそうですが、汗腺を鍛えることで、汗をかきにくい息子でも、少しずつ発汗できる身体に変わってきています。
汗対策は?
では、汗をかいた時の対処法はどうするのが正解なのでしょうか。
とにかくシャワー!
なんと言っても一番は、汗をかいたら水で洗い流すが一番といえます。
石鹸でゴシゴシ洗い流す必要はないので、汗をかいたらこまめにシャワー。
そうは言っても、学校や公園などシャワーなどがすぐに浴びられませんよね。
そんな場合は、衣服から出ている部分だけでも水で洗い流すだけでも全然違ってきます。
シャワーを浴びたら即保湿。
浴びっぱなしだと肌が乾燥して、今度はそれが原因でかゆくなってしまうので、水で洗い流した後は保湿は重要です。
濡れタオルで拭く!
水道で汗を洗い流すことが出来ない場合は、汗をかいた部分を濡れタオルで拭きます。
痒いからといって、ゴシゴシ拭くのは禁物です。
肌がいたんでしまいます。
ゴシゴシではなく、押さえるように優しく汗を拭う気持ちで拭いてください。
赤ちゃん用のおしりふきでも!
赤ちゃん用のおしりふき、意外につかえます!
ただし、アルコールやパラベンフリーのものを選んで下さいね。
水99.9%のおしりふきは、刺激も少なくてよく息子に使用していました。
※いずれの場合も、その後は保湿が必須です。保湿しないと、余計に肌の水分が蒸発して、乾燥を招き痒みが増すことがあります。
シャワーでも、濡れタオルでも、おしりふきでも、その後は保湿剤(我が家はヒルドイトを使用)でしっかり保湿することが重要です。
綿100%の服を選ぶ
忘れてはならないのが、洋服の素材です。
綿100%の素材にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
・綿は吸湿性が良く、汗を吸い取ってくれる
通気性の良い麻(リネン)を選ぶという手もありますが、ゴワゴワしているところもあり、傷ついた肌には刺激となってしまいます。
肌触りや、吸湿性、速乾性の点からシルクが良いという方もいらっしゃいますし、お子さんが一番痒がらない素材を探してみるのも良いかなと思います。
汗のかいた洋服を着替える
単純なことですが、汗をいくら拭いても洋服がそのままだと、肌への刺激が減らないということが多々あります。
綿100%をいくら着ていても、汗で湿った衣服をそのままにしていると、汗による雑菌も繁殖してしまいます。
可能であれば、夏場は着替え(とくに肌に直接あたる下着)を用意しておき、着替えることをオススメします。
アトピーの汗対策は、子供のできる方法で汗の始末をしっかりすること
アトピーの汗対策として、全てできるともちろんベストですが、学校にいてシャワーをするなど環境によってはできないこともたくさんあります。
子供が自分で出来うる範囲での汗の始末をしっかりするだけでも、肌の状態はだいぶかわってくるので、子供にあった汗の始末をぜひみつけてあげてくださいね。